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連句のページ

2004年甲申歳旦連句会2004.1.2〜1.21 @ラエティティア
連句・獅子「猿曳きも」の巻
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発句  新年    猿曳きも猿もさげたるつむりかな      涼二
脇   新年     オールカラーで届く初刷        滴々堂
第三  新年    いかのぼり天下取れりと見得切りて    せれ乃
4句  雑      パチンコの玉函をあふれる        水瓶
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5句  雑     水晶宮このさきは眩(まばゆ)さも倍   龍閑橋
6句  夏恋     園芸博の薔薇に君の名         迷鳥子
7句  夏恋    なきひとの薩摩上布を抱きしめて      うさぎ
8句  夏恋     嬬恋村に夏つばめ翔ぶ          水瓶
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9句  雑     知恵の輪がついにはずれた木曜日      遊牙
10句  雑      インストールは次の順序で→       甘夏
11句  月     雲かかる月はマイクのテスト中       紅玉
12句  秋      影絵の鳥も新走酌み          せれ乃
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13句  秋     栗をむく手がとまらない午前二時      蜜豆
14句  雑      大垣までの各駅停車          滴々堂
15句  花     戦乱の世を過ぎてただ花盛り       迷鳥子
挙句  春      河馬と昼寝のうららかなこと      浮遊書
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連 衆   涼二=渡部光一郎  滴々堂=謎彦  せれ乃=植松大雄
  水瓶=木村草弥  龍閑橋=五賀祐子  迷鳥子=紀野恵
  うさぎ=山田公子  遊牙=青山みのり  甘夏=佐藤りえ
  紅玉=笹田かなえ  蜜豆=伴風花  浮遊書=高見里香
                    捌き手=西王 燦
(注)全投句については、西王燦氏のHPの「連句」のページに掲載
   されるので、参照されたい。



連句・ 蜉蝣『冬銀河の巻』   首 2002/1/8 尾 2002/2/5
 於「ラエティティア」
初折表
発句 冬銀河つね故郷に向く舳先 迷鳥子
脇句 囲炉裏端よむ交信記録 銀果
3句 襟巻きに小さき獣の頭(づ)がありて 涼二
4句 どやどや自分うらやましいやろ 翻車魚
5句 春月 三日月は這入つてゆけぬシャボン玉 滴々堂
6句 東風ふく庭にたたずんでゐる
初折裏
7句 あをきふむ郵便受けはけふもから
8句 宝物なの留守電の声 遊牙
9句 ひとりでは空を泳げぬ鯉幟 杏紗里
10句 巴里のホテルに日除おろして 媚庵
11句 中伏にゴッホの耳が溶けはじむ うさぎ
12句 バンジージャンプ後に引けない 無角
13句 秋花 あやとりの糸を取り出す大花野 大鳩
14句 夕顔の実をつるつると剥く 秋日子
名残表
15句 新豆腐脇に源氏の頁を繰る 緑峰
16句 月にひっそり消える道行 月の樹
17句 初めから恋じゃなかった解ってた 猫跨
18句 でも、くちびるは奪はれやすい 水瓶
19句 桃印燐寸で煙草に火をつけて 浮遊書
20句 修司の短歌などそらんじる 媚庵
21句 継がされる名もなき星よ深雪晴 餌金
22句 G線上のラグビーボール
名残裏
23句 堅パンが焼けた茹で卵はどうした 銀果
24句 よせばいいのにまた触れてくる 月の樹
25句 これはなに腋にはさんだ体温計だろ 浮遊書
26句 暦をめくる水ぬるむ朝 清明
27句 城山に花のかぎりを降らしめよ 涼二
挙句 うつらうつらと眠るぶらんこ 大鳩
連衆 迷鳥子――紀野恵。 銀果――五賀祐子。 涼二――渡部光一郎。
翻車魚(猫跨、餌金)――植松大雄。 滴々堂――謎彦。
――富田睦子。 鈴――荒川美代子。 遊牙――青山みのり。
杏紗里――藤井靖子。 媚庵――藤原龍一郎。 うさぎ――山田公子。
無角――丸山進。 大鳩――水須ゆき子。 秋日子――田中槐。
緑峰――田島直子。 月の樹――石部明。 水瓶――木村草弥。
浮遊書――高見里香。 清明――吉田亜希子。
捌き手 西王燦



八吟歌仙『鬼やんまの巻』   起首 2001年 8月29日
 満尾 2001年10月16日
初折表
発句 鬼やんま智恵子の空を斜(はす)に切る 鳴夫
脇句 糸瓜の水の溜まる暁(あかとき) 瓦斯
3句 秋・月 満月に残つた宿題にらまれて 朝顔
4句 開く絵日記のクレヨンにほふ プリン
5句 たらの芽を噛みしめてゐる朝の膳
6句 鉄塔を超えシャボン玉飛ぶ 三朝
初折裏
7句 お遍路をグライダーより見下ろせば 黒旋風
8句 一目でわかる始めと終はり 朝顔
9句 うたた寝の夢を齧られ夏木立 瓦斯
10句 夏・恋 床几の隅にみぞれ分けあふ 鳴夫
11句 雑・恋 白き指ピアノの上をうきうきと 三朝
12句 雑・恋 跳ねる魚に見惚れるをとこ
13句 UFOにシャッターチャンス遅れたり プリン
14句 秋・月 書割の端に月の出できて 黒旋風
15句 霧はやき夕ぐれの渓死者きみは 瓦斯(*)
16句 オリーブの実を海流に乗せ 三朝
17句 春・花 子の婚を待ちて花房塩に漬け プリン
18句 彼岸会受けぬもののふの首 鳴夫
名残表
19句 猫の子が戯れてゐる日の中で 朝顔
20句 とほくちかくに誰を呼ぶ声
21句 炬燵よりホームステイの顔覗く 黒旋風
22句 垣根くぐりて根は攻めてくる プリン
23句 雑・恋 思ひ出の少年兵はそばかすで 三朝
24句 秋・恋 妻剥く梨の実の白きこと 瓦斯
25句 秋・恋 秋灯にほつれ毛直し別れたり 鳴夫
26句 秋・月 ぽつかりまるい今宵の月よ
27句 裏側のさだかならざること多く 黒旋風
28句 潮焼けは背と腹を等分 朝顔
29句 兵児帯を浴衣にしめてライト浴ぶ プリン
30句 山下清の大きおむすび 鳴夫
名残裏
31句 故郷の翁媼(じじばば)杉に願掛けて 三朝
32句 夜毎届ける無言のエール 朝顔
33句 風に乗り大海原をこえてゆけ
34句 わかさぎ釣りの船二三艘 黒旋風
35句 春・花 花曇どんでん返しの劇画あり 瓦斯
挙句 若草匂ふ古都の猿楽 桃風
宗匠 桃風(奥田清和)
連衆 鳴夫(田土成彦) 瓦斯(木村草弥) 朝顔(田中敬人)
プリン(田土才惠) 星(岡田聖子) 三朝(南純子)
黒旋風(浜田昭則)
*9月11日ニューヨークの世界貿易センタービルに旅客機の乗客を
巻添えに自爆テロが二機突入。ほかに一機はペンタゴンに突入した。
死者7000人。世界は震撼し航空旅客激減。アンセット航空、スイス航空、
サベナベルギー航空が倒産。しばらくしてテロ集団ビン・ラーディン一派への
空爆が始まって、戦争になった。



連句・五吟歌仙『宙のいづくに』の巻   首2001年2月23日
 尾2001年6月11日
初折表
発句 春立つや宙(そら)のいづくに星生れし 鳴夫
脇句 霞を分けて行く王子様 桃風
3句 読み聞かす母はげんげ田育ちにて 黒旋風
4句 運転歴を夫に自慢す 皿登
5句 秋・月 有明の利酒をする蔵の人 瓦斯
6句 案山子の声は聞くこともなし 鳴夫
初折裏
7句 もみぢして哲学の道混むほどに 桃風
8句 雑・恋 ほかげに揺るる思ひおさへて 黒旋風
9句 雑・恋 受験期を君と過ごさむeメール 皿登
10句 冬・恋 冬でも唇(くち)は奪はれやすい 瓦斯
11句 ため息のその数ほどのことならず 鳴夫
12句 初陣ながら凡打に仕留む 皿登
13句 棒振りに空の青さの仏手柑 瓦斯
14句 秋・月 小松五郎の映ゆる秋月 鳴夫
15句 切れ味は鱸のつまの桂剥き 桃風
16句 里に錦を飾る子のため 黒旋風
17句 春・花 怪我に泣き入幕果たす花吹雪 皿登
18句 漕ぐふらここに胸毛そよぎて 瓦斯
名残表
19句 淡輪に八十八夜帆をたたみ 黒旋風
20句 雑・恋 待ち合はせたる宿の茶柱 桃風
21句 夏・恋 青簾すぎゆく人を呼び遅れ 鳴夫
22句 悲しい筈がふふんと思ふ 瓦斯
23句 雨の日は地下片隅に寝る一手 皿登
24句 穴熊破りの工夫こらせば 黒旋風
25句 金銀の駒競ひたつ涼み台 桃風
26句 かたつむり葉の先より戻る 瓦斯
27句 大峰の西ののぞきを仕終へたり 皿登
28句 幼なじみと花野帰り来 桃風
29句 秋・月 へいへいと當百訪ねて月見席 黒旋風
30句 道頓堀に浮く秋扇 鳴夫
名残裏
31句 膝頭組んで夜食す声高に 皿登
32句 親の取り越し苦労弁へ 黒旋風
33句 これ以上肥えないやうに痩せないやうに 鳴夫
34句 「ゆ」の大文字をくぐりて入る 瓦斯
35句 春・花 ながめやる百万石の城の花 桃風
挙句 商店街につばくらめ来る 皿登
桃風―― 奥村 清和
皿登―― 山本  孟
黒旋風― 浜田 昭則
鳴夫―― 田土 成彦
瓦斯―― 木村 草弥



連句・両吟歌仙『凩や』の巻   首2000年11月28日
 尾2001年 1月 9日
初折表
発句 凩や老残の貌しげしげと 瓦斯
脇句 熱燗つまむ指を震はす 一樹
3句 二次会は程々にせよ妻言ふて 瓦斯
4句 竜宮城は夢のひと時 一樹
5句 秋・月 陶然とあをき月光に湯あみゐし 瓦斯
6句 耳を澄まして聞くちちろ虫 一樹
初折裏
7句 朝霧のしばしたゆたふ森深く 一樹
8句 まどろむ人の白き首すぢ 瓦斯
9句 愛称で呼ばれ嬉しい幼妻 一樹
10句 ハンバーガーからはみ出すレタス 瓦斯
11句 リストラに遭ったと友の電話きて 一樹
12句 生きるためには脚を使へと 瓦斯
13句 夏・月 人通り絶えて清かに夏の月 一樹
14句 熟れ麦にほふ真昼のまほら 瓦斯
15句 灯台へ一直線の大漁旗 一樹
16句 金色の陽をまとふ朝凪 瓦斯
17句 春・花 夜桜に一夜宿借る峠茶屋 一樹
18句 孕める猫のにやりと笑ふ 瓦斯
名残表
19句 『沈黙の春』を思へばこの地球 瓦斯
20句 鬼手仏心の名医いづこに 一樹
21句 キッチンの赤いケトルがぴーぴーと 瓦斯
22句 天気予報は快晴を告げ 一樹
23句 繭玉の静かにほどけゆく夜明け 瓦斯
24句 雪合戦にあがる歓声 一樹
25句 若者は耳朶に鼻にもピアスして 瓦斯
26句 夏・恋 汗ばむ指のからむ一夏 一樹
27句 夏・恋 サングラスかけても君が見透かせる 瓦斯
28句 仕入上手が商売のコツ 一樹
29句 秋・月 月光に濡るる老樹の背がありて 瓦斯
30句 苔むす石へ秋深まりぬ 一樹
名残裏
31句 錆鮎の侘しき定め波にゆれ 一樹
32句 かそけきものは<イン・パラディスム> 瓦斯
33句 めぐりくる四季それぞれのわが齢 一樹
34句 句頭に打てるアスタリスクス(*) 瓦斯
35句 春・花 咲きそめし花一輪の春を呼び 一樹
挙句 むらさき立ちてさわらびの村 瓦斯
瓦斯―― 木村 草弥
一樹―― 林  茂樹

*『沈黙の春』=レーチェル・カーソンの本
    化学物質汚染を告発した古典的名著。
*イン・パラデイスム=フォーレのレクイエム
   「楽園にて」の意。



連句・歌仙『有馬の湯』の巻   首2000年 9月 9日
 尾2000年11月16日
初折表
発句 歌人の蟻の詣でや有馬の湯 桃風
脇句 汗流したる大弐の三位 皿登
3句 秋・月 満月が昔ばなしの山越えて 瓦斯
4句 里の雑木に通草色づき 黒旋風
5句 助六の鉢巻き秋の灯にゆるる 鳴夫
6句 尾羽うち枯らす益荒男のこと 瓦斯
初折裏
7句 シドニーで女やはらが金を取る 皿登
8句 をけさを踊る異郷白浪 桃風
9句 和太鼓の時化の港にひびきつつ 黒旋風
10句 やよV脚の温水プール 瓦斯
11句 冬・月 少女らの鍋はずむらし月冴えて 桃風
12句 ブランド服の染みのくやしさ 鳴夫
13句 手すさびに眉ひき直し唇を描く 瓦斯
14句 双子の彼と逢ふむつかしさ 皿登
15句 量子論傾ぐる項(うなじ)にほひたち 鳴夫
16句 廃鉱のラボ昼夜ともせり 黒旋風
17句 春・花 花の咲く渓谷沿ひを郵便夫 皿登
18句 草餅濃きを輪っぱにひそめ 桃風
名残表
19句 若布刈る焚き火の跡のあたらしく 黒旋風
20句 ゆく人を待つ駅の売店 瓦斯
21句 風鈴は音色違へて響きあひ 桃風
22句 セルの単衣の腕まくりする 鳴夫
23句 飼はれたる由来は杳き猫ながら 瓦斯
24句 世を睥睨の文豪の家 皿登
25句 小間物の使ひ走りがはじめにて 鳴夫
26句 夕陽ヶ丘を歯医者にくだる 黒旋風
27句 シベリアの子連れかりがね渡る空 皿登
28句 どさ回りする娘の秋扇 桃風
29句 秋・月 あぜ道を立待月に見とられて 黒旋風
30句 雑・恋 われを拒みし白き指ぞも 瓦斯
名残裏
31句 冬・恋 柔肌の血潮に触れで冬障子 桃風
32句 黄金の釘を打つこともなし 鳴夫
33句 点と線つながるもここに迷推理 瓦斯
34句 ロボットの犬に尾をふらしゐる 皿登
35句 春・花 諸肌の遠山桜うすあかり 鳴夫
挙句 グループ宙の声聞かん春 黒旋風
桃風――奥田 清和
鳴夫――田土 成彦
黒旋風―浜田 昭則
皿登――山本  孟
瓦斯――木村 草弥



連句・ 歌仙『地図の川』の巻   首 2000/8/1 尾 2000/9/6
 於「ラエティティア」 word
初折表
発句 地図の川ほのかに光り半夏生 世羅月
脇句 汗かくひとと汗かかぬひと 泥ん女
3句 スパイスの小壜ばかりが集まりて
4句 子離れ出来ず栗を煮てゐる 瓦斯
5句 秋・月 みづきりの石は月までとどくかな 翻車魚
6句 全部ふりきりバッタのジャンプ 衣月子

初折裏
7句 玄関に散らばる靴とねこじやらし 颱風
8句 姫のものあり鬼のものあり 白雨
9句 雑・恋 逢ひたさに傘一本を置いてきて 涼二
10句 雑・恋 君から奪ふくちびるのいろ 邦彦
11句 ここからが夜の始まり熊祭 大鳩
12句 冬・月 蕪のなかに月を閉ぢこめ
13句 電球のしばらく鳴いてから切れつ 桐子
14句 どこの駅にも遠い墓石 李桃
15句 春の雷二時のまんまの腕時計 詠人
16句 ぼんやり友を待つものどけし 火星
17句 春・花 宇野千代の振り袖ゆらり花ゆらり 紅玉
18句 邑を沈めてみづうみの凪 大鳩
名残表
19句 ひとり言アンモナイトに語りかけ 迷鳥子
20句 蝸牛嬉々として食ひ始む 緑峰
21句 丹精のきうりはもいで糠床に うさぎ
22句 夏・恋 ふり返り見る夏痩のひと
23句 雑・恋 すこしづつ色の変はつてゆく噂 みを
24句 雑・恋 紅白の水引に落ち着く 火星
25句 指鉄砲玄海灘へ撃ちまくり 涼二
26句 やまとには現に皇(すめろぎ)います 瓦斯
27句 秋場所のせめて初日は勝たせたい 紅玉
28句 釣瓶落としを待つおざぶとん 詠人
29句 秋・月 特大の月極上の酒を酌む 颱風
30句 忘却といふもの噛み切れず 午時花
名残裏
31句 高架線つま弾きながら神の旅 翻車魚
32句 今日何処までも鯨見に行く 迷鳥子
33句 組み立てし模型は青い窓をむき
34句 薄氷を踏むズックとりどり 大鳩
35句 春・花 口笛を吹けば世界は花盛り 媚庵
挙句 夢のなごりに揺れるふらここ 長城
世羅月――なかはられいこ、泥ん女――荻原裕幸
――荒川美代子、瓦斯――木村草弥、翻車魚――植松大雄
衣月子――杉山えつこ、颱風――田中槐、白雨――椎木英輔
涼ニ――渡部光一郎、邦彦――関口健一郎、大鳩――水須ゆき子
――富田睦子、桐子――横山未来子、李桃――東直子
詠人――佐藤りえ、火星――三宅やよい、紅玉――笹田かなえ
緑峰――荒井直子、うさぎ――山田公子、彩――江村彩
みを――多田零、午時花――五賀祐子、媚庵――藤原龍一郎
長城――紺野万里、迷鳥子――紀野 恵
 捌き――西王 燦



連句・独吟・単季半歌仙『きさらぎの』の巻
 2000年2月3日

発句 青丹によし寧楽の墨するきさらぎの
脇句 真夜の狭庭に恋猫の声
3句 くらげなすただよへる時かむとけて
4句 ぜあんと鳴ればまぐはひにけり
5句 喃喃とつらつらつばき閨の裡
6句 じやつかましい水ぶつかけろ
7句 手ぐすねを引きてバレンタインデー
8句 老い人の恋ああ嘘くさい
9句 蝌蚪生(あ)れて語尾活用はらりるれろ
10句 アカサタナなる花イキシチニ
11句 春立つと茶髪のをとめ厚サンダル
12句 銀座の柳つの芽めきたり
13句 衣更着やホツトパンツがうそ寒い
14句 こたつの中のオルガスムスは
15句 雪まろげ興じてゐたる比叡山
16句 男の美学捨てしゲレンデ
17句 若芽とは言へどいっぱし木筆(こぶし)の花
挙句 名残の雪の降る二月尽



連句・口語獅子しりとり『遠景に』の巻
 於「ラエティティア」2000/10/31〜11/14

発句 遠景に永遠がある秋の暮 天王星
脇句 秋・月 くれよ いいじゃん くれよその月 Sin
3句 キスチョコのピンクばっかり食べないで 詠人
4句 遺伝子のせいだよなにもかも 龍閑橋
5句 火・木は燃えるゴミの日雪女郎 翻車魚
6句 牢は底冷え笑っちゃうほど 夜羽
7句 保土ヶ谷へ格子のシャツを買いに行く 緑峰
8句 育児も家事もつれあいまかせ 切羽
9句 春・花 石器なら桜の花の下にある 無角
10句 歩きはじめる昼の蛤 桐子
11句 リムジンが欲しいとまでは望まない ぴあす
12句 ナイロンたわしでがしゃがしゃ洗う
13句 裏側にほら八月の濡れた砂 紅玉
14句 夏終章のオルガスムスは 瓦斯
15句 「儚い」と漢字表記で嘆くサイ みのり
挙句 いま出てくからそこで待ってて 杏紗里
捌き――西王 燦


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